チロルチョコ | 九州あるある大辞典

チロルチョコ

チロルチョコは今でこそ全国区だが、元々は松尾製菓株式会社(福岡県田川市)の製造するチョコレート菓子。
2004年に販売・企画部門を分社化し、チロルチョコ株式会社(東京都)を設立したため、現在の松尾製菓はチロルチョコの製造工場の運営会社となっている。

復刻版ミルクヌガーチロルチョコ
懐かしいパッケージのチロルチョコ(復刻版)

チロルチョコは筆者が子供の頃の駄菓子屋にあるチョコレートの定番だった。当時の駄菓子屋で買える他のメーカーのチョコレートは、妙に油っぽかったりパサパサした感じの物が多かったが、チロルチョコだけはチョコの品質がよかった記憶がある。
幼い頃10円(昭和30年代後半から40年代後半くらいが10円だったようだ)で買えるチョコレートでは、チロルチョコが質と量ともにトップクラスだった。

10円から20円となり、そして今では30円のミルクヌガー(画像のチロルチョコ)だが、たまに懐かしくてつい買ってしまう。
関西より西では今でもこのミルクヌガーが人気らしい。

チロルチョコ誕生

「チロルチョコを製造している松尾製菓は1903年の創業以来お菓子を作っていたのですが、戦後の復興期にそれまで製造してきたお菓子が売れなくなってしまいました。

そんな時、当時の2代目社長が新素材のチョコレートに注目して作り始めたのがチロルチョコです。
莫大な投資が必要なため、周囲に反対されたのですが、社長は周囲の反対を押し切ってチョコレートを作り始めたそうです。
その設備を利用し、既に持っていたキャラメル製造の技術を応用してヌガーを入れた3つ山タイプのチョコレート、『ミルクヌガーチロルチョコ』を10円で発売しました。

これは当時高級品だったチョコレートが10円という手頃な値段で買えるということで人気となりました。」


駄菓子屋からコンビニへ

「ところがオイルショックや物価の高騰があったため、20円、30円と値段を高くしたところあまり売れなくなってしまいました。
そこで3つ山のチョコレートを1つずつにわけて10円という価格で発売したところ再び人気となったんです。
これが今も変わらない10円のチロルチョコです。

以前は駄菓子屋さんでチロルチョコを発売していたのですが、駄菓子屋さんが減り、コンビニが増えてきたので、コンビニでも販売できるようバーコードを付けられるチロルチョコを作りました。」

 
オピ研 vol.36:チロルチョコ(3) ~チロルチョコができるまで~ より抜粋

チロルチョコ株式会社の誕生
「2004年に創業100周年を記念して新しいことをしていこうと、「松尾製菓株式会社」から企画・販売部門を分社化して「チロルチョコ株式会社」を作りました。
名前を色々考えたのですが、「チロルチョコしかないだろう」ということで社名もチロルチョコにしました。

 
福岡の「松尾製菓株式会社」の工場でチロルチョコを作りながら、新しい東京の「チロルチョコ株式会社」で色々な情報を受け取ったり、発信したいと思っています。」

オピ研 vol.36:チロルチョコ(4) より抜粋

チロルチョコ株式会社