九州あるある大辞典 -2ページ目

太平燕(タイピーエン)

味千ラーメンの太平燕(タイピーエン) 太平燕(タイピーエン)とは熊本の名物料理で、主に中華料理店などで出されている。

中国福建省の家庭料理をヒントに熊本で70年以上前に誕生した料理で、諸説はあるが揚げたゆで卵は燕の巣、春雨はフカヒレに見立てられているらしい。

魚介類・豚肉・野菜などを炒め、スープ(店によって鶏がらや豚骨など違う)、春雨、揚げたゆで卵などが入っている。
簡単にいえば長崎ちゃんぽんの麺が春雨になったような感じ。
また筆者が子供の頃は給食の定番メニューとしてよく出ていた。(卵はうずらの卵だったが)

熊本で太平燕の有名な店といえば、発祥の店といわれる中華園(くまもと阪神百貨店8階)、会楽園(熊本市新町)、紅蘭亭(熊本市下通り)が太平燕の御三家として有名。(クッキングパパでも掲載されていました)

熊本以外では中華レストランの「バーミヤン」にもありました。こちらは鉄鍋に直火で、目の前で作る鍋料理みたいな感覚です。

太平燕は熊本人が「全国の中華料理店に絶対あるメニュー」と信じて疑わない人も多いはず。

最近ではヘルシーな春雨が注目をあび、太平燕がインスタントで売られている。他にもレトルトタイプの物がスーパーやコンビにでも売られている。

マルちゃん:熊本銘品 太平燕(五目春雨スープ)
2005 年 5 月 23 日 近畿以西地区限定新発売
東洋水産株式会社では、カップ入り春雨 「マルちゃん 太平燕(タイピーエン)」を平成17年5月 23 日(月)より近畿以西地区限定にて新発売致します。
春雨料理の新メニュー提案として、熊本で70年以上も受け入れられている「太平燕」をカップタイプで開発致しました。

東洋水産株式会社(マルちゃん)

エースコック:熊本名物 太平燕
【発売地区】関東・甲信越・九州
【発売日】2005年6月20日
【希望小売価格】240円(税抜価格)

エースコック 太平燕(タイピーエン)

マルちゃんの太平燕は食べてみましたが、ちょっと物足りん感じです。レトルトの卵も入ってますが、ちょっと野菜が少ない感じ。

熊本で一番店の数が多いラーメンチェーン店の味千ラーメンでも食べる事が出来ます。
味千ラーメンの太平燕
中国福建省の家庭料理をヒントに熊本の料理人がまかない料理として作ったのが始まりと言われています。春雨をメインに、数種類の野菜、豚肉、海鮮と揚げ卵が入って栄養バランスも優れています。同じ熊本で生まれ育ってきた「味千ラーメン」が、鶏ガラに豚骨スープをブレンドし独自に作り上げた味千オリジナル「タイピーエン」。是非ご賞味下さい。
味千ラーメン JapanSite:秘伝の味 味千ラーメン:メニュー

セブンイレブン かしわ飯

セブンイレブン新製品のかしわめし セブンイレブンに寄ってみたら、新製品の「九州の味かしわ飯」(390円)が売ってあった。

かしわおにぎり 」ともう少し安い感じの「かしわめし」はよく売ってあったが、この「かしわ飯」はちょっと駅弁風だ。

駅弁の「かしわめし」といえば北九州の折尾駅の名物。
九州の駅弁の代表格でもある。

この「かしわ飯」は炊き込み御飯の上に細切りで醤油で甘辛く煮込んだ鶏肉と錦糸卵がのせてある。そしてきざみ海苔と紅生姜がついてくる。
この甘辛い感じがいかにも九州の味付けっぽくてよい。

見かけたらぜひ食べて欲しい弁当です。

チキン南蛮

ほっかほっか亭 チキン南蛮弁当 チキン南蛮は宮崎県延岡市で生まれた料理。
発祥の店は「元祖チキン南蛮 直ちゃん 」といわれている。

「初代の作り出したチキン南蛮は他では味わえない味です。 
初代の故後藤直が昭和39年修行中に考案したチキン南蛮。現在2代目である浩一が、味を守っています。」

ぐるなび - 元祖チキン南蛮の店 直ちゃん より抜粋

とんかつ程度の大きさの鶏肉を油で揚げて、甘酢ソースに浸した後上からタルタルソースやマヨネーズをつけて食べる。
スーパーの惣菜売り場や定食屋などでよく見かける九州では定番のメニュー。

九州で広まったのは「ほっかほっか亭」(九州・山口地区のプレナス)のチキン南蛮弁当のせいではなかろうか?
このプレナス は 「ほっかほっか亭」の他にも丼物・定食の「めしや丼 」やしゃぶしゃぶ・飲茶食べ放題の「MKレストラン 」 など九州になじみのある企業だ。

そしてこのプレナスの「ほっかほっか亭」は九州・山口エリアの他に東日本エリアも担当している。
面白い事に「九州・山口エリアのメニュー 」と「東日本エリアのメニュー 」が若干違っている。
東日本には九州で定番の「チキン南蛮弁当」がない!(その代わり、とりめし弁当というのがある)

このあたりが九州と関東の食文化の違いなのだろうか?

フタバ 御飯の友

フタバ 御飯の友 ふりかけの元祖は御飯の友だった。

御飯の友といえば熊本人にはもっともなじみの深いふりかけ。
家庭の食卓以外にも、学校給食のふりかけといえば小袋タイプの御飯の友だった。

ふりかけの起源 三島食品資料館

「ふりかけ」がいつの頃、何処で、誰によって考案されたものなのか?
ルーツを調べてみても詳しい資料はないが、日本食糧新聞社発行の食品工業事典などによって、東京・広島・熊本と三つの元祖があるということはわかっていた。

熊本、株式会社フタバの「御飯の友」の歴史は大正の初期、熊本市で薬剤師をしていた吉丸末吉氏によって考案され、その後昭和9年に二葉商事(現株式会社フタバ)が引き継いでいる。

東京、丸美屋食品の「是はうまい」は大正14年、甲斐清一郎氏が福島市で作り出したと記録にある。
また、広島の「露営の友」は昭和3年小松原要助氏が作り軍隊に納品している。

東京の「是はうまい」の考案者は甲斐清一郎氏で福島市で食品の販売を業とするかたわら、食品の研究に没頭し、白身の魚を乾燥させ、昆布の粉末を混ぜ醤油と特殊な調味料で煮込んで乾燥させ、これに海苔・煎りゴマなどを入れた「ふりかけ」を作った。
味が大変うまかったので「是はうまい」と命名し売り出したのが大正14~15年ごろだった。

発売当初の御飯の友 甲斐清一郎氏はこの商品を持って東京へ進出し東京荒川区で丸美屋食品研究所を興し、「ふりかけ」の製造販売を開始したのが昭和2年だった。

以上の記録は故阿部末吉氏が現丸美屋食品工業株式会社の社長だった頃、小冊子に書かれている(昭和51年10月著)。またこの記事の中で甲斐清一郎氏は熊本の出身と記してある。

「御飯の友」考案者吉丸末吉氏は薬剤師をしていて、カルシウム不足を補うため、小魚を乾燥させ粉末にして調味し、青のり・煎りゴマなどを加えて作ったのが大正の初期、熊本市新町で製造を始め、その後昭和9年に二葉商事(現株式会社フタバ)が引き継いでいる、と株式会社フタバ会長鳥越正男氏の記事がある。

甲斐清一郎氏が熊本の出身となれば、筆者の推察であって定かではないが、大正時代に熊本で薬剤師吉丸末吉氏とは何らかの接触があり、面識があったのではないかと思える。東京の「是はうまい」は甲斐清一郎氏が大正14~15年頃商品化しており、熊本の「御飯の友」は大正の初期に発売している。広島の「露営の友」は昭和3年軍隊に納品していたと記録がある。

三つの元祖の経緯年代の記録を見ると元祖は熊本の吉丸末吉氏が有力となり、ビンの容器に入れて湿気を防ぐためコルクの栓をして蝋で固着させるのは薬品のビン入りでは使っており、それを「ふりかけ」にも応用した発想は薬剤師であった吉丸末吉氏の考案と思える。

平成6年の全国ふりかけ協会の総会で「ふりかけ」の元祖は、熊本二葉商事の吉丸末吉氏の考案と全員承認することになった。

楠苑 三島食品資料館 より抜粋

あの「のりたま」で有名な丸美屋のふりかけも、ルーツは御飯の友だったというのは驚きだ。

昔から変わらない味でおせじにも「めちゃくちゃうまい」とはいえないが、それは栄養やカルシウム不足を補うために作られたものだからであろう。
筆者の実家にも昔からワンカップ大関のような瓶に入った御飯の友が置いてあった。
またフタバといえば白菜の浅漬けを簡単にキムチ風にする「朝鮮漬の素」もある。

御飯の友本舗フタバ・ふりかけの販売 株式会社フタバのホームページ

フタバの歴史 ふりかけのルーツをたどると薬剤師に行き当たった

ウエストうどん

ウエストうどん ウエストはうどん屋や焼肉店などでおなじみの外食チェーン店。
1966年(昭和41年)福岡県福間町に1号店を開店をしたのをきっかけに、福岡県内を中心として熊本・佐賀・大分・関東地方やアメリカまで進出している。

筆者が子供の頃はまだ店舗数が少なく「ウエスト味の街」という看板で、同じ敷地内にうどん・焼肉・和食・中華などの店が建ち並ぶ複合レストラン施設だったが、最近ではうどんと焼肉をメインとして1~2店舗で構成されている場所が多くなってきている。

ウエストうどん
麺は少し讃岐風でスープはだしの効いた薄めの色。
丸天やエビ天・かき揚げ・ごぼう天などの揚げ物は揚げたてで提供される。
テーブルの上に置かれたネギと天カスは入れ放題で、薬味は一味と七味の2種類ある。
ラーメンのごとく、うどんの替え玉まで用意されている。
ほとんどの店舗が24時間営業で、いつでも食べられる便利さは非常によい。

メニューに書いてある「ウエストうどんの歌」は、故村田英雄先生が歌っているらしいが残念ながら原曲は聴いた事がない。

ウエストうどんの歌
「胸のすくような うどんの味よ 行くぞ それ行け うどん一本! うどんウエスト
生まれも 育ちも まるまる 九州たい わすれちゃならない うどん一本! うどんウエスト」


筆者はウエストうどんに行ったら、よく牛丼セット(小ぶりの牛丼と素うどんのセット)に単品のかき揚げかごぼう天を追加で入れたのをよく食べている。もちろんネギと天カスはたっぷり入れる。

お客様に喜びと感動を・・・ウエスト ウエストのホームページ

インディアンにハゲはおらん!髪の悩みを解消するシャンプー

この前久しぶりに会った友達から面白い話を聞きました。

その友達は30歳を過ぎた頃からだんだんおでこが広くなっとりました。
しかしこの前会った時にはなぜか毛が多くなって、ふさふさになっとったんです。

思い切って「まさか増毛とかカツラ?」と聞いたら
「髪の毛にいいシャンプーがある」との事。

詳しく話を聞くと、インディアンの世界で1万年にわたって伝承する育毛の成分の入ったシャンプーを通販で買って使っとるそうです。
そして「インディアンにはハゲはおらんやろ?」って言いました。

知ってました?
確かにそう言われれば、ハゲのインディアンなんか見た事無い。
映画や西部劇に出てくるインディアンなんかを見ても、
インディアンの男は皆ロン毛で黒々してツヤツヤな髪の毛だな。

そして「最近は口コミで広がって人気がでてるから、よく品切れになっとる事があるので、
在庫を切らさんように、買う時は注意せなん」と言ってました。

人気のインディアンのシャンプー

白熊・白くま・しろくま(かき氷・アイス)

九州名物白熊&しろくまフルーツたっぷり  

白熊は鹿児島で生まれたかき氷で、現在では色々なメーカーから「白熊・白くま・しろくま・シロクマ」と名乗ったアイス(氷菓)がたくさんある。

どれも共通しているのは、練乳とフルーツと小豆が入っている事。

エスキモーチューブタイプ白くま 九州名物シリーズでおなじみの丸永製菓の場合だと、ノーマルな氷菓(画像上の右)は「白熊」、高級タイプの氷菓(画像上の左)だと「しろくま」。そしてラクトアイスに分類される物だと「白くま」という風に名前が分かれている。

画像右はエスキモー(森永乳業)のチューブタイプ「白くま」

白熊という名前のルーツにはふたつの説があり、
ひとつは「喫茶店で出されていたかき氷は練乳をかけて出していた。その後小豆やフルーツなどをトッピングした。それを上から見ると白熊の顔に似ていた。」という説。
丸永製菓はこの説を推しています

もうひとつは「昭和初期にかき氷屋をやっていた店で使っていた練乳が白熊印だったため、そのマークから白熊と呼ばれるようになった。」という説です。

暑い季節になってくるとコンビにでもこの白熊をよく目にする機会が多い。
九州人なら夏のアイスの定番ではなかろうか?

マルナガアイスクリームしろくまのページ
もう九州では、「白くま」という食べ物は「九州人の食文化の一つ」になっていて、生活に根付いている食べ物になっています。「白くま」というネーミングは、もう一般名称になっているのです。
ですから、九州人が、「白くま君」と親しみを込めて言うものは、「エアコン」の「白くま」ではなくて、「氷菓」の「白くま」なのです。


九州発、大人気のかき氷がワンハンドで楽しめる!エスキモー「白くま」新発売のお知らせ
「白くま」は、九州発祥、豆やフルーツなどを散りばめ、練乳をかけたかき氷です。さまざまな素材の食感や味わいを楽しめるおいしさが評判で、ここ数年で全国に人気が広がっています。エスキモー「白くま」は、九州発の大人気のかき氷をワンハンドで手軽に楽しめます。

マルキョウ

マルキョウ

マルキョウは福岡をメインに佐賀・長崎・大分・熊本と九州北部を中心に販売エリアを持つスーパーマーケットのチェーン店。

その魅力は何といっても安い事、ペットボトル飲料や調味料、インスタントラーメンなどはとにかく安い。
チラシ広告の入る水曜日は原価割れしてるんじゃないか?と思うような値段で大安売りをしている。

ペットボトルのお茶やウーロン茶、トイレットペーパーや洗剤などマルキョウの独自ブランドの物も多数ある。

日配品はいいのだが、生鮮品がちょっと弱い気がするのが残念なところ。

他の店と違うのはレジで、買った品物はレジから短いベルトコンベアでレジの前に3つに仕切られたコーナーに流れる。そこで自分で買い物袋に入れる方式になっている。

福岡の人ならマルキョウをよく利用する人が多いのじゃなかろうか?

マルキョウとは

「昭和39年に設立の株式会社丸共ストアーを前身とした 
一般食料品・生鮮食品・日用雑貨を販売するスーパーマーケットチェーンです。
 「いつも一番良い品物をより安く奉仕する。」を創業以来のモットーとし、 お客様第一主義のもと
福岡県を中心に九州一円をカバーする 店舗展開をしています。 」


マルキョウ

東肥の赤酒

東肥の赤酒 赤酒とは熊本独特のお酒。赤酒といえば「東肥の赤酒」がいちばん有名だろう。

色は赤っぽい茶褐色で、少しトロっとしていて味はほんのりと甘い。

熊本では家庭でも料理酒やみりんの代わりに使われている事が多く、煮物などをふっくらと仕上げるので、料理店の料理人もこの赤酒をつかっている事も多いと聞く。
熊本の地元テレビ番組の料理コーナーでは、レシピに調味料として赤酒が使われている事が多い。

普段は赤酒自体を飲む機会は少ないが、熊本ではお正月にはかならず赤酒のお屠蘇を飲む風習がある。
年の暮れになると酒売り場には、赤酒に「屠蘇」(薬草の入ったティーバッグ状の物)が付いて売られている光景をよく目にする。

赤酒とは
「赤酒は現在の酒税法上では「その他の雑酒1」に分類される酒類ですが、その製法により「灰持酒(あくもちざけ)」ともいわれます。
赤酒に代表される「灰持酒(あくもちざけ)」は、酸を中和し保存性を高めるため、もろみを搾る前に「木灰」を入れることが最大の特徴です。(一般の清酒は、加熱する<火入れする>ことにより保存性を高めることから「火持酒(ひもちざけ)」と呼ばれます。)
「木灰」を使うことにより、独特の芳香を持つようになり、またその性質は微アルカリ性かそれに近いものとなります。このために時間の経過とともに、糖分やアミノ酸が反応し、自然に赤色を帯びてくることから「赤酒」と呼ばれるようになったと思われます。」

お屠蘇に赤酒
「熊本では、古くからの風習で、お正月の「お屠蘇」には、ほとんどのご家庭で「赤酒」が使われます。これは江戸時代、肥後細川藩では赤酒を「お国酒」として保護奨励し、熊本で酒といえば赤酒だったというほど一般に親しまれていたからで、赤酒の需要が減った現在でも、「赤」というおめでたい色も手伝って、お屠蘇や御神酒などの慶事の儀式酒には赤酒が用いられています。 」

瑞鷹 熊本特産東肥赤酒について より抜粋

刺身醤油(さしみしょうゆ)

「さしみ醤油」はその名の通りお刺身用の醤油です。
スーパーなどに行っても、小さな瓶で色々な種類の「おさしみしょうゆ」がある。

九州のさしみ醤油はたまり醤油のようにトロっとしていて、普通の醤油より塩分が少なくかなり甘い。
同じ九州でも南へ行けば行くほど甘くなる傾向のようだ。

お刺身・馬刺しなどには最適で、刺身醤油以外で刺身を食べる気は起きない。

食堂や居酒屋でも普通の醤油とさしみ醤油が置いてある店も多い。赤いフタと黄色いフタの2種類の小瓶でさしみ醤油の方には「さしみ」と書かれていたりする。
他の地方からきた人はソースと間違えて使ってしまいそうな感じである。

一般の家庭でも普通の「料理用の醤油」と「さしみ醤油」の二つがある家が多いのではなかろうか?